10年前に聞いた「最近のうつ病の患者さんにないもの」

認知症」と「うつ病」の鑑別って、よく聞くけれど……

自分の場合、
認知症は、器質性精神障害の一つ」
うつ病は、内因性精神病」
こんな風に捉えている。

だから、「認知症に合併したうつ病」という表現には違和感を覚えてしまう。

認知症をベースにした精神症状としての抑うつ」はあり。当然、「抑うつ」だけじゃなくて、「妄想」があってもよい。

元気のない高齢者はうつ病? 認知症

元気が無い高齢者の状態の原因を「脳の器質性病変による自発性低下」と考えるか、抑うつと考えるのか。高齢者の抑うつ(?)を診察する時には、このあたりに注意して診察をしているつもり。

だから、画像検査は欠かせない。時には、脳内の小さな病変が行動に大きく影響を与えることもあったりするから、油断できない。

うつ病の「抑うつ」って、何よ?

うつ病の「抑うつ」って、どう説明すればよいのか。時々思い出すのが、10年位前に聞いた、とある病院の老精神科医の言葉。
「最近のうつ病の患者さんには、悲哀感が無くなりましたなぁ」
それ以来、「自分の診断基準」において、「悲哀感があるかないか」というのは、抑うつを評価する時のポイントの一つになった。


Grief / x1klima

ちなみに、その老精神科医。
「この爺さんの言うことは、半分以上年寄りの戯言で、聞く必要がない。でも、後々思い返してみたら、ものすごく患者さんの状態を言い当てていることが、時々あるから困る」という評判の人。

おわかりの通り、このアカウントが目指しているのは、この老精神科医なんですよ。

 で、いつものこちら。

 精神科医療を仕事とする人間なら、この本を読んでもらいたい。

軽症うつ病 「ゆううつ」の精神病理 (講談社現代新書)

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